久喜市商工会 会長 千葉利明


中小企業長官表彰に恥じない、相談機能の充実を

 新年あけましておめでとうございます。

 会員各位におかれましては、ご家族お揃いにて輝かしい2002年の新春をお迎えのことと存じます。

 また、日頃は商工会の運営に対しまして、深いご理解と暖かいご支援を賜り、心から感謝申し上げます

 さて、昨年の11月に、第41回商工会全国大会が、渋谷のNHKホールでおこなわれました。その大会中に、久喜市商工会が表彰のなかで、最も栄誉ある「中小企業庁長官表彰」を受賞しました。この賞は、優れた事業実績を持つ商工会として、埼玉県商工会連合会の推薦を得て、表彰されたものです。歴代の役職員の実績が重なって花ひらいたもので、商工会にとって新年にふさわしい話題かと思います。本年はさらに身を引き締めて、受賞に恥じない事業展開をして参りたいと存じます。

 昨年の世界の経済は、IT不況をもろに受け、9月のアメリカの同時多発テロに続くアフガン戦争と、日本の経済も世界の動きに翻弄され続けた一年でありました。本年は、課題の不良債券処理を多額に行った大手銀行が言うV字型の景気回復を望みたいものです。

 このような経営環境の中で、商工業の活性化策として、本年、商工会の事業については、中小企業庁長官賞にふさわしい事業展開をして参りたいと考えております。

 まず本年は、商工会の基本に戻り相談機能の充実を図りたいと考えております。会員の個別指導に関しては、経営指導員を中心として、商工会連合会、中小企業振興公社の応援を仰ぎながら、また必要に応じては外部のコンサルタントを招聘しながら事にあたりたいと考えております。集団指導に関しては、職員自らが講師として行なう「職員一人一講習会」を本年は実施したいと思います。

 情報化が急速に進展する中で、中小企業が大企業との情報格差を解消し、さらに事業機会を拡大するために、東京理科大学の知恵をお借りして、一昨年から研究して参った企業間取引(BtoB)についても、久喜市商工会を中心として

14の近隣商工会の賛同を得て、本年4月から本格的に稼動する運びとなりました。今回稼動するBtoBは工業部会を中心としたもので、サイトを「彩の国夢工場」と名づけ、今現在は実験稼動中です。今後このサイトの充実と商業関係についても研究して参りたいと存じます。

昨年の年頭のご挨拶でも、述べましたが、商工会の事業に占める、街づくりのコーディネーターとしての役割が日に日に強くなっていくのを感じております。おそらく半官半民的な組織が街の中に少なくなって、殺伐とした世相の中で心の休まる組織としての存在感がクローズアップされつつあるのかと思います。その点についても、私は本年、商工会が持つ特有の安心感・安堵感を大切にして、商工業者のみならず、市内のあらゆる組織・団体と手を結び久喜市の街づくりのために精一杯の努力をして参りたいと思います。

昨年の第50回七夕まつりについては、新企画の「きやっせ久喜踊り」が功を奏し、七夕まつり後に、市の内外からの問い合わせも多く予想以上の成果と感じております。本年はさらに内容を充実させて祭りを盛り上げたいと思います。

最近の小規模事業者の商工会への期待は、創業や経営革新支援、IT革命に対する指導・支援であり、商工会職員にも、より高度化・専門化した知識が要求されており、従来にも増して職員の資質向上に努力して参りたいと存じます。

 最後になりましたが、前に述べたように日本経済は、はなはだ厳しい状況でございます。一日も早く銀行の言うV字型の景気の回復を期待したいものです。       

商工会がそのための一助となるよう本年も一生懸命がんばりたいと存じますので会員の皆様のご声援をよろしくお願い申し上げます。